クラッチの仕組み
ソレックスのクラッチは遠心クラッチですが スクータの遠心クラッチのように 回転が上がると繋がり 回転が下がると切れるというものではありません 何故なら回転が下がったときに切れてしまうと スターターもキックレバーもないソレックスでは エンジンがかけられません スーパーカブのクラッチのように停まっているときは タイヤからの力に対しては繋がり エンジンからの力には切れる 一種のワンウェイ・クラッチになっています
ドラムはドライブローラーに繋がっています クラッチはクランクシャフトに固定されています この動画ではエンジンを上げています
走っているときは クランクシャフトの力が クラッチを回し ドラムを右に回せば前進することになります
クラッチを外すと このようにスプリングは常にクラッチをひろげる方向に引っ張っています
エンジンをかけるときはタイヤの回転でドラムは右に回ります するとクラッチのシューにはドラムブレーキのリーディング・シューのように力がかかるので 摩擦でクラッチはさらにひろげられドライブシャフトを回しエンジンをかけます
1500回転 / 分くらいで スプリングの力と遠心力が釣り合い 左右どちらにも回るようになります そのときクランクシャフトとクラッチは共に回っているけれども ドラムは回っていない状態 つまり アイドリングで停まってるときや ごく低速で走っているときです アイドリングしているときにクリーピング現象のように少し進もうとするのは 力が釣り合っているとはいえ 完璧ではないので シューがドラムに少し触れているからです
それ以上 回転が上がると クラッチは遠心力で完全につながります
クラッチの簡単な作動チェックは エンジンをおろして(ドラムをタイヤで固定して)フライホイール(=ドライブシャフト・クラッチ)が 右には軽く回り 左には回らない状態が正常です
クラッチが繋がっていない場合は この動画のように どちらにも軽く回ります この場合はエンジンの回転が上がっても走りません
クラッチが切れない状態は 停まると一緒にエンジンも停まってしまいます
クラッチが繋がらないの場合は ほとんどの場合この「ページステータープレート、クラッチ、ドライブローラーを組み付ける」の2番目の写真のナットが緩んでいるか 稀にベアリングが壊れてベアリングボールがクラッチ・ハウジングに入り込んでいます
クラッチが切れない場合は「ステータープレート、クラッチ、ドライブローラーを組み付ける」の1枚目の写真のボルトとハウジングが固着しています
クラッチシューの磨耗や クラッチユニットそのものが壊れることは滅多にありません
Embrayage VSX
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